薬膳の基礎知識 [ 会員専用 ] 




概  念
 :

痰湿体質とは、湿邪の侵入や臓腑機能の低下により津液代謝が異常になり、水の流れが滞り体に水が溜まり易い体質です。特に下半身のむくみ、冷え、痛みなどの症状が現れます。痰と湿は、体内の水分の総称である津液が、臓腑機能の低下による水液代謝機能の失調のために生じた病的な物質であり、病気の原因となります。痰・飲・水・湿は源が同じで、人体の津液の代謝異常によってできた病理産物です。

原  因 : 外因邪気(特に湿邪、寒邪など)あるいは飲食、七情(ストレス)が原因で「肺」「脾」「腎」及
び三焦などの臓腑の気化機能が失調し、水液代謝に障害が出て痰湿が停滞。

症  状 : 目眩、口の中粘々、痰、喘息、胸むかむか、動悸、食欲不振、吐き気、嘔吐、腸鳴る、疲労、眠い、身体が重怠い、むくみ、肢体麻痺、腫塊、下痢し易い、舌胖大、歯痕など

痰湿体質の分析  密接に関連する主な臓腑は「脾」「胃」「肺」です。



湿

症状分析




薬膳処方(対策)
脾気の虚弱により運化機能の低下によって水湿が停滞し痰湿が生じ易い体質に
なる
①痰湿が脾気を停滞すると水の運化と排泄が滞る➡下痢やむくみの症状
②水穀精微の生成不足➡筋肉を養えないので筋力が低下する

補脾袪湿 健脾化痰


湿

症状分析




薬膳処方(対策)
痰湿が胃の気を滞らせ胃気が通降できず食欲不振、胸の痞えなどの症状が現れ易い体質
痰湿が胃気を滞らせると、胃気が通降できず➡胸のつかえ、膨満感、食欲不振などの症状

清熱下気化痰


湿

症状分析




薬膳処方(対策)
肺の呼吸機能の低下により肺気の宣発・粛降機能が失調し、津液の分散ができなくなり痰湿が現れ易い体質
津液の分散が滞り、さらに痰湿の生成が盛んになる➡咳、痰が多い、胸が痞えるなどの症状

潤肺袪痰




痰湿体質の薬膳の基本  袪湿化痰(余分な水分を排泄し、痰を取り除く)

薬膳の処方(対策)
薬膳処方 薬膳に使用される食材 中 薬
袪 湿 水液代謝を調節し、余分な水湿を取り除く はと麦、とうもろこし、冬瓜、豆類、白魚、鯉、蛤 金針菜、薏苡仁、茯苓、白豆蔲、草果、車前子
袪 湿
+化痰止咳平喘
痰や咳などの改善を図る 里芋、筍、春菊、昆布、浅利、くらげ、梨、柿、銀杏 白芥子、桔梗、甜杏仁、枇杷葉、貝母、羅漢果
袪 湿
+補気
痰湿の原因は
気虚によるため気虚を改善すると効果的
補気類は気虚体質を参照
袪 湿
+理気
気の巡りを調整するのでより効果的 理気:玉ねぎ、らっきょう、
そば、えんどう豆、柑橘類
薤白、陳皮、玫瑰花、刀豆、ジャスミン、厚朴
消 食 消化不良により痰湿が生じることがあるため、消食類を加えることも 大根、蕪、くらげ、鶏内金、大麦、おこげ 山楂、麦芽、穀芽、莱菔子、神曲、鶏内金
清熱化痰 痰が溜まり長期化すると
熱に変化する
筍、春菊、へちま、昆布、あさり、くらげ 枇杷葉、貝母、栝楼、昆布、胖大海、馬蹄
要 点:温性・平性、辛味・淡味・苦味、香りのよいものを選択、脾・肺・腎・肝を重点的にみる。
    体に熱がこもるタイプの痰湿は涼性の食材で熱を冷ます。
注意点:脂っぽいもの、味の濃いもの、甘いもの、酒、食べ過ぎは避ける。
    水分や糖分を多量に含む果物は摂り過ぎない。