薬膳の基礎知識 [ 会員専用 ] 




生薬は特別のものではなく、私たちの身のまわりにも存在しています。季節ごとに彩りや風情を与えてくれるさまざまな「草花」も、薬膳の生薬として利用されてきました。数ある「草花」の中から代表的なもの取り上げ、その薬膳効能についてご紹介します。

からすうり
かんぞう
金銀花
金木犀

山梔子

たんぽぽ
どくだみ
馬歯莧
百合
よもぎ
     
 



柿蔕(柿のへた)
(かき)収穫期:10月頃
林の中、お家の庭先に柿の実が色づき始めました。店頭では柿が行儀よく並んでいます。「一物全体」のとおり、生柿・柿餅(干し柿)・柿霜(干し柿の白い粉)・柿蒂(柿のへた)・柿漆(青柿からつくられる二カワ状の液)として利用されます。秋を代表する果物で、秋の五臓・肺と主気の燥を補養する働きがあります。

効 能 :
① 清熱潤肺・・・熱を冷まし肺を潤す。肺熱の咳、喀血、
             便秘に。
      ② 生津止渇・・・津液を生じ渇きを改善する。胃熱傷陰、
             口渇、口内炎に。
      ③ 解酒熱毒・・・二日酔い、酒の飲みすぎに。

      *柿餅(しへい):潤肺、止血、止瀉…咳、血痰、喀血、
               痔、下痢に。
      *柿霜(しそう):清熱、潤燥、化痰、止咳…咽喉痛、咳、
               口内炎に。
      *柿蔕(してい):降気、止逆、止嘔…しゃっくり、嘔吐、
               咳に。
      *柿漆(ししつ):高血圧、脳卒中の後遺症、夜尿症、
               甲状腺腫大、慢性気管支炎には内服。
               扁桃腺、口内炎には含嗽薬として。
               火傷、湿疹、凍傷には外用薬として。

調理法:
生食、和え物、サラダ、なます、菓子、デザート、ジャム

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 9月~10月
夏、夕刻からレースのような花~8~10cm大~がゆっくりと開きます。写真にあるように、純白でそれは見事な美しさです。一夜で花は終わり実になっていきます。今はオレンジ色の実となっています。薬膳では「栝楼(カロ)」といいます。

効 能:
① 化痰止咳平喘類(痰を取り除く、咳、喘息、粘痰の症状を
      改善する食薬)に属す。
    ② 全体は呼吸機能を調節し、咳、喘息、痰症状を、種子は便
      秘を改善します。
調理法:お茶、煎服、砂糖煮など

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 7月
電車の窓から、線路際の土手にオレンジ色のやぶかんぞうが、咲き乱れているのが見られます。この花をつぼみのうちに摘み取り蒸して乾燥させたものが薬膳では「金針菜・きんしんさい」と言います。忘憂草とも言われ、美しい花を見て憂いを忘れる、憂いを忘れるほどおいしい。という名前由来があります。車窓から一時、見惚れています。

効 能:利水浸出類・・・利尿作用、清熱作用で体内の余分な水を排
            泄させる。発熱には熱を冷ます。むくみ、
            吐き気、めまい、口苦、イライラ、発熱、
            不眠などの症状に用いる。

調理法:水で戻してから使用する。和え物、炒め物、煮もの、天ぷら
    など。

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(きんぎんか)5月~7月ころ
朝に咲いた花は白く、夕方にかけて黄色に色が変化しているさまから金銀花と呼ばれています。すいかずら、忍冬花とも呼ばれています。甘い香りがやさしく漂い、ジャスミンの香りに似ているでしょうか。
使用する部は花のつぼみになります。体の内部から生じた高熱を取り除く食薬です。各種熱証、皮膚炎などに適応します。この花が終わる頃、関東地方では梅雨に入ります。

効 能:① 清熱解毒・・・皮膚の化膿、痢疾(赤痢)、あせもなど。
    ② 疎散風熱・・・発熱、口渇、咽喉の腫れ痛みに。
              (主編・辰巳 洋著薬膳素材辞典より)

調理法:お茶、花酒

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 (きんもくせい)9月〜10月開花
今、盛んに香ってオレンジ色の花が満開です。忙しく過ごしていると、香りで秋の訪れを知らせてくれます。金木犀(キンモクセイ)は薬膳では「桂花(ケイカ)」と言 います。蕾を採取し風とおしの良いところで乾燥させます。

効 能:① 温裏類(臓腑を温め、冷えの症状を改善する食薬)に属す。
    ② 腹の冷え、疼痛、歯痛、咳、喘息、口臭などの症状を改善
      します。

調理法:お茶、おかゆ、ケーキ、飴、薬酒など

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(くず)7月~9月
葛の花の甘いやさしい香りが漂っています。赤紫色の小さな花の集まりが房状となって咲いています。秋の七草のひとつ。
薬膳では「葛根(かっこん)」と言います。くず、くず粉はこの葛の根に含まれるでんぷんを言います。生薬の葛根は根の外皮をむいて水にさらしてからさいの目に切り、天日乾燥したものです。

効 能:辛涼解表類に属す。発汗により体表に侵入した邪気を取り除く
    作用がある。
    発熱、悪風、微汗、目の充血、目やに、くしゃみ、鼻水、鼻づ
    まり、のどの痛みなどの症状に用いる。

調理法:
くず粉(くずあんなど料理、お菓子) 根(生薬、煎服)

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(くちなし)花6~7月・実10~11月
白い花が咲き少し黄色くなってきました。山梔子は別名くちなしの花です。品の良い甘い香りが漂っています。花が終わると小さな実となり、秋には大きくなり、くちなしの実になります。
きんとんの色付け、たくあんの色付けでおなじみです。清熱の働きがあり、夏や熱からくる症状に使いたい食薬です。

効 能:① 瀉火除煩・・・熱証、出血、不安、汗、のどの渇き、咳、
             尿通
    ② 清熱利湿・・・黄疸、痰黄
    ③ 涼血解毒・・・瘡瘍腫毒、目赤腫痛
            (主編・辰巳 洋著 薬膳素材辞典 より)

調理法:煮物、漬物、蒸し物、きんとんなどの色付け。煎服。

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(くわ)採取期:6月
桑の木に実がついていました。桑の木は実は桑椹(そうじん)、桑の枝は桑枝(そうし)、葉は桑葉(そうよう)と言います。黒く熟した桑椹(桑の実)は、甘酸っぱく濃厚な味です。1週間後には鳥に食べ尽くされていました。
桑椹は滋陰の働き、桑枝は祛湿の働き、桑葉は清熱の働きがあります。桑枝は4~6月に若い枝を天日乾燥、桑葉は秋、霜降以降に乾燥させて使います。

★桑椹
効 能:① 滋陰補血鳥髪・・・陰血不足のめまい、耳鳴り、不眠、
               目のかすみ、白髪、消渇
    ② 潤腸通便・・・・・便秘
調理法:生のまま酒に浸けて薬用酒、生食、乾燥したものは煎服する。

★桑枝
効 能:① 祛風除湿・通絡止痛・・・風湿痹痛、四肢痙攣、運動障害
    ② 利水消腫・・・・・・・・浮腫・下腿浮腫
調理法:煎服

★桑葉
効 能:辛涼解表・・・疎散風熱、清肺潤燥、平抑肝陽、清肝明目
調理法:煎服

             (主編・辰巳 洋著薬膳素材辞典 より)

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 3月〜9月
野原、道端などにしっかり根を張って咲いています。 薬膳では「蒲公英(ほこうえい)」と言います。全草が食用になり、特に春の若葉は柔らかく、かすかな苦みはおいしくいただけます。

効 能:
清熱類(清熱解毒類)に属す。
    体の内部から生じた熱をとり除く。のどの脹痛、にきびなどの
    吹き出物、皮膚の化膿、痒みなどの症状に適応します。

調理法:
春の若葉はサラダ、お浸し、和え物に。夏秋はゆでて水にさら
    してから。乾燥させてお茶。
    根は乾煎りしてたんぽぽコーヒー 。花はお酒につけて。

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 5月〜7月
ドクダミの白い花が咲き始めています。多くの薬効があるため「十薬」の別名もあります。薬膳では「魚腥草(ぎょせいそう)」と言います。
独特の臭いがあり、好まれることは少ないようですが、花は可憐です。食する部分は葉、茎で若芽、若葉はお浸し、和え物、汁の実、天ぷら、サラダでおいしくいただけます。効能にあるようにこれからの暑い季節に食すると良いでしょう。乾燥させたものは煎じて飲みます。

効 能:清熱類(清熱解毒類)に属す。
    体の内部から生じた熱をとり除く・利尿作用・解毒の働きがあ
    り、濃痰、皮膚の化膿、排尿困難、湿熱性の下痢などに適応し
    ます。

調理法:
若葉はお浸し、和え物、汁の実、天ぷら、サラダで。
    乾燥させたものは煎じて。

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(ばしけん)採取期:6月~9月
馬歯莧は、馬の歯が並んでる様に見えることから(ばしけん)と読み、スベリヒユとも呼ばれます。畑や空き地などに生え、全草を食します。抜いても抜いても生えてくるため効能を知らない人には嫌われものです。
清熱解毒の強い働きがあり、暑い時期にうってつけの食薬です。ほんの少しヌメリ感があります。

効 能:① 清熱解毒・・・瘡瘍腫毒、帯下、尿道の灼熱感、血尿、
             にきび
    ② 涼血利水・・・血淋、排尿痛、血尿、血便、湿熱の下痢
            (主編・辰巳 洋著薬膳素材辞典 より)

調理法:和え物、浸し、サラダ、スープ、天ぷらなど
    天日干しのものは戻して煮物、炒め物に。煎服。

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ゆり根
(ゆり)花:6〜8月頃 鱗茎11月
夏の盛りに匂い立つ香りと真っ白な花が目立ちました。その後、花は落ち、土の中で鱗茎が育ち秋の10月末から11月にその鱗茎が収穫されます。
その鱗茎は蒸す、煮る、炒めるなどの調理法で各種料理にお菓子、デザートなども作られ食します。肉質はほくほくとしてやさしい味です。また、乾燥品は煎服します。
滋陰の効能があり体の陰液を補い、臓腑を潤し陰虚証を治療します。
読み方は食品はゆり根、中薬では「びゃくごう」と読みます。

効 能:① 潤肺止咳・・・肺陰虚の空咳、少痰、喀血
    ② 清心安神・・・動悸、不眠、夢多、精神不安、イライラ
            (主編・辰巳 洋著薬膳素材辞典より)

調理法:鱗茎は蒸す、煮る、炒める。乾燥品は煎服。

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 3月〜
野原など陽当たりのよい地に咲いています。薬膳では「艾葉(がいよう)」と言います。3月ころの新芽はお餅で食べ、季節を味わいます。ちなみに葉の裏毛はお灸のもぐさに用います。

効 能:理血類(止血類)に属す。
    「血」に関する病気を治療する。虚寒性出血、血便、痔、
    生理痛、腹痛などの症状に適応します。他に肩こり、冷え症、
    疲労回復、神経痛、胃腸虚弱などに。
 
調理法:新芽、若葉は草餅、胡麻和え、天ぷら、炒め物に。煎菔。

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