薬膳の基礎知識 [ 会員専用 ] 




血の失調には、体内の血が不足している「血虚」、血流が滞っている「瘀血」、血の中に熱がこもっている「血熱」、冷えにより血流が滞っている「血寒」の4つがあります。






血の営養作用の減退、あるいは血量の不足によって身体に現れる病的な状態をいいます。臓腑組織に営養が不足した症候です。



 血虚証の原因

体質の虚弱、先天不足
過労、飲食の不摂生、脾胃の虚弱などで水穀精微の不足
慢性病、産後、けが、不正出血などにより血の消耗、生成不足
循環不全による血供給の不足
精神的な原因から気鬱になって肝の蔵血機能の低下による不足などがあります。

 血虚証の症状とその分析

顔色が蒼白、唇・爪色蒼白、目眩、心悸、不眠、肢体の痺れ、生理の出血量が少ない、生理不順、舌質淡苔白、脈細無力

<症状の分析>
血虚により臓腑の営養が不足 ➡ 顔色が蒼白、唇・爪色蒼白、生理不順
脳が血虚の状態で営養不足 ➡ めまい
心神が血を養えなくなる ➡ 心悸、不眠
筋の滋養不足 ➡ 肢体の痺れ

 血虚証の薬膳対策と中薬と食材

養血:血を補う(同時に補気と健脾もすると良い)
養血の食薬

薬膳処方 食  材 方  剤
養 血 補血類 食材 赤色、黒色、紫色の食品、黒米、黒胡麻、黒豆、松の実、ほうれん草、人参、棗、ぶどう、ライチ、ナマコ、鶏卵、肉類とレバー、豚ハツ、いか、なまこ、貝柱、かき、あなご、うなぎ、スッポン 当帰補血湯(とうきほけつとう) 
黄耆・当帰
中薬 枸杞子、当帰、熟地黄、桑椹、何首烏、芍薬、阿膠、竜眼肉
補気と健脾  気虚を参考

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血行が停滞するために現れる症状です。




 血瘀証の原因

気虚:気の推動機能が弱くなり血の流れが緩慢になります。
気滞:気の流れが悪くなると血の流れも阻滞されます。
血寒:寒により血管が収縮し、血が凝滞します。
血熱:熱の影響を受け、血液中の津液が消耗され、血の流れが悪くなります。

 血瘀証の症状とその分析

疼痛:多くは刺痛、触るともっと痛くなる、部位は固定、夜間に痛みがひどくなる。
腫塊:皮膚の色は青紫で腫れ固まりができ固定して動かない。
出血:紫暗色で血の固まり(血栓)が混ざっています。
唇や爪がチアノーゼ状になり、青紫色を帯びたり黒ずんだりします。
生理の出血量少なく、血塊を伴う。

 血瘀証の薬膳対策と中薬と食材

活血化瘀:活血は流れが遅いときに血流を促進し、順調に流れるようにする。化瘀は瘀血を取り除く(同時に理気のものを使うと良い)
活血化瘀の食薬

薬膳処方 食  薬 方  剤
活血化瘀 活血化瘀 食材 青梗菜、空芯菜、くわい、えんどう豆、らっきょう、いわし、さんま、あさり、あわび、かに、あずき、黒豆、茄子、紅花、バラ花、ハイビスカス、桃、からし、黒砂糖、酒、酢 血府逐瘀湯
(けっぷちくおとう)
桃仁・紅花・当帰・生地黄・川芎・赤芍薬・牛膝・桔梗・柴胡・枳殻・甘草
中薬 紅花、桃仁、鬱金、益母草、姜黄、川芎、丹参、月季花、三七人参、山楂子
理気類 食薬 みかん、オレンジ、ゆず、レモン、ダイダイ、ジャスミン
中薬 陳皮、青皮、枳実、仏手、厚朴、木香、砂仁、白豆蔲、薤白

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臓腑の火熱が盛んになり、或は火熱邪気により血液に熱がこもるため現れる症状です。




 血熱証の原因

暑邪など陽邪の侵入、煩労、飲酒過度、発作的に怒り肝の損傷などから火熱が生じるなど血熱証を引き起します。熱により血の流れが速くなり出血し易くなります。

 血熱証の症状とその分析

熱感、顔が赤い、喉が渇く、意識障害、咳血、吐血、血尿、鼻血、皮下出血、舌質は紅絳

<症状分析>
肺熱 ➡ 咳血、鼻血、皮下出血
肝熱 ➡ 咳血、吐血
心熱 ➡ 顔が赤い、意識障害、血尿
脾胃大腸熱 ➡ 吐血、血便、皮下出血、歯茎の出血
膀胱熱 ➡ 血尿、尿の熱感、排尿時の痛み

 血熱証の薬膳対策と中薬と食材

清熱涼血:血にある熱を取り除く(同時に利水滲湿のものを使うと良い)
清熱涼血の食薬

薬膳処方 食  薬 方  剤
清熱涼血 清熱類 食材 小麦、あわ、そば、はと麦、緑豆、豆腐、白菜、せり、セロリ、とまと、胡瓜、茄子、苦瓜、西瓜、りんご、梨、バナナ 清営湯(せいえいとう)
犀角・生地黄・玄参・竹葉心・麦門冬・丹参・黄連・金銀花・連翹
中薬 竹葉、淡竹葉、芦根、山梔子、生地黄、金銀花、連翹、蒲公英、板藍根、決明子、馬歯莧、魚腥草、茶葉、荷葉
利水滲湿類 食材 なずな、菊芋、金針菜、チシャ、冬瓜、白瓜、鯉、鮒、はまぐり、小豆、黒類、大豆、空豆、はと麦、とうもろこし
中薬 茯苓、薏苡仁、車前子、冬瓜皮、葫藘、赤小豆、玉米鬚

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陽気不足(陽虚)或は寒邪により気の流れと血流が悪くなるため現れる症状です。




 血寒証の原因

強弱体質、陽気不足による身体の内部に生じる内寒、或は外界から寒邪が直接臓腑に侵入して引き起こされる症状です。

 血寒証の症状とその分析

手足局部に疼痛が起こる、皮膚が紫暗色で冷たい、冷えるのを嫌がり温めると疼痛は軽減する、小腹部が痛む、四肢の冷え、生理が遅れるなど

<症状分析>
手足の疼痛、皮膚の紫暗色で冷たい ➡ 寒邪の侵入により、血管が収縮し気血が手足に行かなくなるため。陽気が阻害され、皮膚を温煦できないため。
冷えるのを嫌がり、温めると痛みが軽減 ➡ 温めると血行がよくなるため。
少腹部の痛み ➡ 寒邪が血脈に影響を与えるため

 血寒証の薬膳対策と中薬と食材

温経散寒:経絡を温め、寒気を取り散らす。(補陽類と温裏類を使う)
温経散寒の食薬

薬膳処方 食  薬 方  剤
温経散寒 補陽類 食材 栗、胡桃、にら、羊肉、鹿肉、イワナ、海老、ナマコ 四逆湯(しぎゃくとう)
生附子・乾姜・炙甘草
中薬 冬虫夏草、鹿茸、淫羊藿、杜仲、益智仁、胡桃肉、韮子
温裏類 食材 にら、唐辛子、山椒、桂花、ます、さけ、あじ、黒砂糖
中薬 肉桂、乾姜、丁香、小茴香、花椒、胡椒

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