薬膳の基礎知識 [ 会員専用 ] 




中医学では、人と自然界との間の密接な関係を重視しています。人間は自然界の中で生活しており、たえず、自然環境の影響を受けています。人体は外界の変化に適応させ、自身の生命リズムを調整しています。また、人体を構成する臓腑・組織・器官は、生理的に互いに作用し、協調し合っています。


 人と自然の統一性

人間が生きるために必要な条件は自然界であり、自然界の変化は人体に直接的、あるいは間接的に影響を及ぼし、人体はこれに対応して生理的、病理的な反応を現しています。人と自然(宇宙)をひとつの統一体と考え、人体の形や機能も天地自然に対応すると見ています。「天人合一」の思想が生まれました。

 季節や気候が人体に及ぼす影響

① 自然界の季節や気候の変化は、人体に対して直接的に影響を与えています。

季節 気候 五臓の気と季節の変化 気候と人体内の気血の変化
温暖  肝気:春に旺盛 春夏:温暖な気候なので血液循環がよく、気血が体表へ向かうために皮膚がゆるみ、汗が多く、尿が少ない
炎熱  心気:夏に旺盛
長夏 湿・暑  脾気:長夏に旺盛 湿度が高く、気血の流れが停滞しやすい
乾燥  肺気:秋に旺盛 秋冬:寒冷な気候なので、血液循環が滞り、気血が体内に沈潜するために皮膚が緻密となり、汗は少ない、尿が多い
 腎気:冬に旺盛
※長夏は梅雨時期に適応

② 疾病の多くも季節や気候の変化と関係があります。

 昼夜、朝夕が人体に及ぼす影響

中医学は自然界のいろいろな事象を陰と陽の二つに分け、両者が対立や依存し合うことで全体のバランスが保たれると考えます。人間の身体にも陰陽があり、陰陽のバランスがとれている「陰平陽秘」の状態は健康であり、バラ
ンスが崩れると健康が損なわれると考えます。
朝は太陽が昇るにつれ、陽が成長し、昼は陽が最も強い時間帯となり、昼が過ぎると陽がだんだん弱くなり、陰が成長し、夕方になると太陽が沈み暗くなり、夜中は陰が強くなります。昼夜の陰陽の変化によって、人は朝起床し、日中は活動し、夜は就寝するという生活リズムができました。また、1日の陰陽の変化を四季にたとえ「朝は春、日中は夏、日の入りは秋、夜中は冬」と考えています。